祝!就職内定。高校卒業後の就職に向けての在留資格変更
はじめに
現在、「家族滞在」の在留資格で日本に滞在している外国籍の高校生の皆さんの中には、就職の内定を受ける方もいらっしゃるでしょう。また、そのような高校生を雇用する予定の企業も多いことと思います。
まずは、就職内定おめでとうございます!
この記事では、高校卒業後の就労に必要な在留資格変更の手続きについて詳しく解説します。
就職先が決まったら、早めに在留資格変更の手続きを行い、スムーズな入社を目指しましょう。
卒業後の就職に必要な在留資格変更とは?
現在、「家族滞在」で滞在している高校生の皆さんは、就職するにあたり在留資格の変更が必要です。
「家族滞在」はご両親などの扶養のもとでの滞在を目的としており、原則、就労は認められていません。
就職してフルタイムで働くためには、適切な在留資格への変更が必要となります。
どの在留資格に変更するのか
ターゲットとなりうる在留資格は、「定住者」と「特定活動」です。
ご本人が、どの時点で日本の教育システムのもとで勉強を始めたかによって、「定住者」または「特定活動」を取得できる可能性があります。また、高校卒業後の就職時に「特定活動」に変更した場合、5年以上良好に在留すれば、「定住者」への変更の道が開かれています。
「技術・人文知識・国際業務」などの就労の在留資格への変更は、学歴要件などを満たさないので、「定住者」または「特定活動」への変更となります。
パターン別に考える
日本の学校に入学された時期は、人によってさまざまだと思います。パターン別にみていきましょう。このパターンは、入管が資料で説明している通りのものです。
パターン①
- 17歳までに入国
- 小学校入学または編入そして卒業
- 中学校に入学そして卒業
- 高校に入学そして卒業
- 就職内定
このグループに属する皆さんは、内定が決まったら「定住者」への変更を準備します。小学校の入学は編入でも要件を満たします。
パターン②
- 17歳までに入国
- 中学校に入学または編入そして卒業
- 高校に入学そして卒業(編入を除く)
- 就職内定
このグループに属する皆さんは「特定活動」への変更を準備します。その後、5年以上この在留資格での滞在を良好に保ち、「定住者」に変更することも可能です。小学校卒業の要件は求められておらず、中学校は編入で入学しても要件を満たします。
パターン③
- 17歳までに入国
- 高校に入学そして卒業(編入を除く)
- 就職内定
このグループの皆さんも「特定活動」への変更を準備します。パターン②との差は、高校入学のタイミングから日本で教育を受け始めた点です。日本で中学校を卒業していませんが、高校進学時に来日し、卒業した皆さんがこのグループに属します。
パターン④
- 17歳までに入国 + 高校に編入で入学そして卒業
- 就職内定
このグループの皆さんは「特定活動」への変更を準備します。高校から編入で入学し、卒業するパターンです。日本語能力テストのN2を取得することが、このグループ特有の要件となっています。
②③④の「特定活動」に変更する要件
この要件のひとつに、日本在留の親の身元保証が要件とされていることも、準備する上で、注意が必要です。
就労における「定住者」のメリット
在留資格には「就労制限のない在留資格」と「就労制限のある在留資格」がありますが、「定住者」の在留資格は就労制限がなく、ほぼすべての職種に従事することが可能です。公序良俗に反する業務を除いて、自由に働くことができます。
具体的には、営業、マーケティング、IT・システム関連、技術職、経理などの専門職から、単純作業、たとえば、工場作業員、飲食業界での調理補助、コンビニのレジ接客、配送業務などまで幅広く対応できます。また、雇用形態も多様で、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートなど、さまざまな雇用形態で働くことができます。
雇用主側にとっても、就労制限なく職に就いてもらえるのは、活躍の機会もより広くオファーすることができ、大変なメリットなのではなるかと思います。
就労において、「定住者」「特定活動」の注意点
「定住者」や「特定活動」の在留資格には、必ず在留期限があります。この期限には、本人だけでなく雇用主も十分な注意を払う必要があります。
うっかり期限を過ぎてしまうと、本人はオーバーステイとなり、法律違反の状態に陥ります。また、雇用主側も不法就労助長罪で罪に問われる可能性があります。
これを避けるために、在留期限の管理を徹底しましょう。
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弊所では、高校を卒業されて、就職が内定した外国人の方の在留資格変更について、ご本人または雇用主のご依頼をお受けしています。
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ご留意事項
この記事は、【在留外国人向け】出入国在留管理庁メール配信サービスから、2024年7月24日に送信されたお知らせをもとに作成しています。入国管理に関する情報は変更されることがあるため、常に最新の情報を参考にしてください。