11月1日公開:在留資格変更・在留期間更新のための最新ガイドライン概要
ガイドラインの概要
入国管理庁は、在留資格の変更、在留期間の更新について、ガイドラインを更新し、11月1日にウェブサイト上で公開しました。
ガイドラインは、制度の趣旨を理解するのに大変役立ちます。
現在の最終改正版は、令和6年10月のものです
大前提:入管法に基づく許可判断の基本
在留資格の変更や在留期間の更新は、入管法に基づき、法務大臣が『適切な理由がある』と判断した場合に限り許可されます。
この判断は法務大臣の裁量に任され、申請者の予定している活動内容、現在の滞在状況、滞在の必要性などを総合的に考慮して行われます。
具体的には後述の点が判断材料として考慮されます。
変更や更新が当然のごとく可能であるということではなく、入管法に基づき、慎重かつ総合的な審査が行われることを十分に理解し、申請にあたっては、普段の生活を含め適切な準備を行うことが求められます。
考慮される事項
1. 申請者の活動内容が、申請する在留資格に該当していること
申請者が行おうとしている活動は、入管法の定める各在留資格に応じた内容である必要があります。
入管のウェブサイトには、この記事を書いている2024年11月1日現在、資格の一覧表と活動の内容が掲載されていますので、今一度確認することをお勧めします。
詳細はこちらをご覧ください。
2.法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
外国人が日本に入国する際には、法務省令で定める上陸許可基準を満たす必要があります。
基準は、特定の在留資格の変更や更新時にも適用されます。
特定活動や定住者の在留資格を持つ人も、基本的にこれらの基準に引き続き適合していることが求められます。
申請人の年齢や扶養状況などの要件については、年齢を重ねたり、状況の変化など、入国後の事情の変化によって要件に適合しなくなる場合もありますが、そのことがただちに在留期間更新の不許可に直結するわけではありません。
ちなみに、上陸許可基準は、入管法に5つの満たすべき条件を定めています。
上陸許可基準の5つの条件
(1)有効な旅券と査証の所持
(2)申請の活動が偽りのものでないこと
(3)入管法で定める在留資格に該当し、上陸許可基準に適合すること
(4)滞在予定が在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
(5)上陸拒否事由に該当しないこと
3.現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
当然のことながら、申請者である外国人は、在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。
4.素行が不良でないこと
素行については、当然、善良であることが前提です。
これはつまり、社会のルールや法律を遵守することを意味します。
もし素行が良好でない場合、申請が不許可となる可能性があります。
具体的には、退去強制事由に該当するような刑事処分を受けた場合や、不法就労をあっせんするなどの法律に反する行為を行った場合には、素行が不良と見なされることとなります。
5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
申請者の生活状況は、日常生活において公共の負担となっておらず、資産や技能から見て、将来にわたって安定した生活が見込まれることが求められます。(世帯単位の状況で可)
仮に公共の負担になっている状況において、人道上の理由がある場合には、その理由は十分に考慮して判断されることになります。
6.雇用・労働条件が適正であること
就労する場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。
なお、雇用者側に労働関係法規違反による勧告等が行われた場合は、通常、申請人である外国人申請者には責任はないため、この点は十分に考慮にいれて判断されることとなります。
7.納税義務等を履行していること
納税義務を果たしていることは当然のこととされ、未納や支払い遅れがない状態であることが求められます。
もし納税義務を果たしていない場合、それが許可されない理由のひとつになる可能性があります。
たとえば、納税義務を怠ったことで罰則を受けた場合は、「納税義務を果たしていない」と判断されます。また、刑罰を受けていなくても、大きな額の未納や長期間の未納がある場合、悪質だと判断されることもあります。
さらに、納税以外にも、国民健康保険料など法律で支払いが決められているものについても同様です。
もし高額の未納や長期間の未納があると、悪質なケースとみなされ、同様に対処される可能性があります。
8.入管法に定める届出等の義務を履行していること
日本に中長期間在留する外国人の方は、入管法に定められた届け出や手続きを行う義務があります。具体的には、以下のような手続きが求められます:
・在留カードの記載事項に関する届出(住所変更や所属機関の変更など)
・在留カードの有効期間更新手続き
・紛失等による在留カードの再交付申請
・日本を離れる際の在留カードの返納
※中長期在留者とは?
中長期在留者とは、以下の条件に当てはまらない外国人が該当し、上記の義務を履行する必要があります:
・3か月以下の在留期間が決定された方
・「短期滞在」の在留資格を持つ方
・「外交」または「公用」の在留資格を持つ方
・上記の外国人に準ずると法務省令で定められた方
・特別永住者
健康保険証の提示方法の変更について
2010年4月1日より、社会保険への加入を促進するため, 申請時に窓口で、健康保険証の提示が求められてきました。
しかし、2024年12月2日以降、健康保険証の発行が廃止されるため、以降は次のいずれかの方法で資格を確認することが求められます:
・スマートフォン等でのマイナポータル「資格情報」画面
・「資格情報のお知らせ」
・「資格確認書」
なお、健康保険証等を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とすることはないそうです。
お気軽にご相談ください
当事務所では、日本全国の皆様を対象に、在留期間更新許可申請、および在留資格変更許可申請のお手続きのお手伝いを承っております。
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ご留意事項
この記事は、出入国在留管理庁のウェブサイト上で、2024年11月1日に更新された情報を元に作成したものです。
入国管理に関する情報は変更されることがあるため、常に最新の情報を参考にしてください。