卒業後の在留資格変更:状況別の選択肢

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はじめに: 卒業後の進路に合わせた在留資格変更の重要性

卒業を控えた留学生の状況は、人によってさまざまです。

せっかく日本で勉強したのだから、日本に残り就職を希望する方もたくさんいます。

このような努力の結晶で輝く優秀な人材が、日本でさらに活躍できるように、日本の政府や各業界も、いろいろな努力をしています。

例えば、就職やさらなる進学、起業などへの移行期間中も安定して在留できるよう、状況に応じた在留資格が整備されています。

また、地方自治体や管轄の入国管理局、地元企業、ジェトロなどが連携して開催する就職フェアも、その一例でしょう。

変更可能な在留資格の種類を把握することにより、スムーズな就職や起業への移行の可能性が広がります。

卒業後の「留学」の在留資格を、現在の状況に合わせて、どの在留資格に変更できるのか、いくつかの選択肢を検討してみました。

卒業後すぐに就職する場合

入社時期に間に合うように、就職先での業務に応じた在留資格に変更申請を行います。

入管は毎年12月頃に、留学から就労への在留資格変更申請を受付開始しますので、入社に間に合うよう「卒業見込み」として早めに準備することが大切です。

どの在留資格に変更するかは、内定先の担当者と相談しながら決めましょう。

日本の専門学校や日本・海外の大学を卒業した方が専攻と関連する職務を行う場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得することが一般的です。

日本語能力試験N1を取得している場合、「特定活動(本邦大学等卒業者)」の取得の可能性が広がり、より幅広い職務に就くことも可能になります。

「この特定活動(本邦大学等卒業者)」については、この記事をご参照ください。

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卒業後も、就職活動を継続する

大学、大学院、短大、専門学校、一定の日本語教育機関(海外の大卒または大学院を卒業後入学した場合のみ)を卒業した留学生が、卒業前から行っている就職活動を卒業後も続ける場合は、『特定活動』(継続就職活動)への変更が認められる可能性があります。

この在留資格は最長1年間(6か月+1回更新)です。

就職先が内定し入社まで期間が空く場合

9月卒業の留学生が翌年4月に内定先に入社する場合や、『特定活動』で就職活動中の留学生が内定を得て入社まで期間が空く場合は、在留資格を『特定活動』(就職内定者)に変更する必要があります。

大学院への進学が決定し、進学時期までに在留期間が満了になる場合

大学を卒業後1年以内に大学院への進学が決定している留学生、または「特定活動」(継続就職活動)の在留資格を持ち、卒業後1年3か月以内に大学院への進学が決定した元留学生は、進学時期が現在の在留期間の満了後となる場合、『特定活動』(進学待機者)への在留資格変更が可能です。

ただし、進学先からの誓約書の発行など、一定の条件を満たす必要があります。

卒業後、起業活動を行う

留学生が卒業後に起業するには、「経営管理」の在留資格に変更が必要です。

大学または大学院卒業後6か月以内に法人を設立することが見込まれ、大学や大学院からの推薦を受けている必要があります。

なお、一定の要件を満たす留学生が、在学中から行っていた起業活動を継続することを希望する場合、最長2年間の滞在が認められる措置があります。

この措置は、以下の2つに該当する留学生を対象としています。

1つ目のケース:

「留学生就職促進プログラム」や「スーパーグローバル大学創成支援事業」の採択校など、優秀な留学生の受け入れに積極的に取り組む大学・大学院・短期大学・高等専門学校に在籍している場合です。

この場合、在学中から起業活動を行っており、卒業後も継続する場合には、すべての要件を満たすことで、在留資格を「特定活動(継続起業活動)」へ変更することが可能です。

2つ目のケース:

日本の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)を卒業後、「外国人起業活動促進事業」または「国家戦略特別区域外国人創業活動促進事業」を利用して在留していたものの、期間内に起業に至らなかった場合です。

この場合も、所定の要件を満たすことで、在留資格を「特定活動(継続起業活動)」へ変更することが認められます。

最後に

ここまで、ざっと浅く見てきましたが、留学生、または卒業生の状況によって、いろいろな選択肢があるということは感じていただけたかと思います。

申請書の準備とは、現在の状況、そして希望する在留資格が希望する活動に適合していることを立証するという重要な作業です。

当事務所は、留学生の皆さんを全力で応援しています。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

ご留意事項

入国管理に関する情報は変更されることがあるため、常に最新の情報を参考にしてください。

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